血尿について

最近、猫の膀胱炎が増えてきました。

下部尿路に起こる疾病は猫下部尿路疾患(FLUTD)と呼ばれています。

原因はさまざまで、細菌性、結石、特発性などに分かれます。

細菌性は、細菌の感染により発症しますが、種類によっては尿のpH値が大きくアルカリに傾き結石の原因になることもあります。

結石は、酸性で出来やすいシュウ酸カルシウムやアルカリ性で出来やすいストルバイトの結晶などがあります。

ストルバイトは食事を変えることにより溶かすことができますが、シュウ酸カルシウムは溶けることがないので、まめな検査とフードの管理が必要です。

あとは、猫は飲む水分量が少ないので、フードをふやかして食べる子であればふやかした方がいいでしょう。

特に季節の変わり目は要注意です。

そして一番厄介な特発性。

血尿や頻尿が認められるものの尿検査では結石や細菌が検出されません。

原因がわからない一方、ストレスが起因していることが多いといわれています。

じゃあ、ストレスって何?という話になりますが、人が思っているストレスと猫が感じているストレスは異なってることがあるため、なかなか特定が難しいと思います。

工事の音だったり、犬が吠えてだったり、新しいトイレ砂が気にくわないだったり、季節性のストレスだったり様々です。

原因が特定できればいいですが、特定できずに血尿が続く場合は、フェロモン剤やω脂肪酸を与えてみて落ち着かせたり炎症を抑えたりします。

FLUTDは原因が様々で対処法も変わってきます。

複合要因で発症していることもありますので、1回の治療で治らないケースもあります。

尿が出ている(頻尿除く)場合はまだいいのですが、特にオスでは尿道が詰まって出ないケースがあります。

これは尿道閉塞といわれています。

メスに比べオスは尿道が狭いため、結石や栓子によって尿道が塞がりやすく、尿が出せない一方でどんどん尿は作られていきます。

この場合、ひどく痛がったり、下腹部を気にして舐めたりしますが、限界を迎えると尿毒症で亡くなることもあります。

尿のトラブルは厄介なことが多いので、トイレに長くいたりいつもとおかしい様子があれば早めに対処しましょう。