耐性菌について。

オリンピックも始まり、事前のニュースで話題になっていた耐性菌。

リオデジャネイロ海岸でスーパー耐性菌が検出されていたとのことで、どのような菌かというとカルバペネム耐性腸内細菌科細菌だそうです。

カルバペネムとは何ぞやという話になりますが、簡単に言うと物凄く効く抗生剤です。

当院でもカルバペネム系の抗生剤は使用しています。

無論、多用はしませんし、薬の効果時間が短いので使い勝手は悪いのが難点です。

一方で、ほとんどの細菌に効果を出してくれるので非常にありがたくもあります。

当院は、難治性の細菌性疾患や膿瘍の場合、ディスク試験を行って使用する抗生剤を決めています。

また、耐性菌などの場合、自分の出身が細菌学なので大学に種の同定をお願いしています。

犬猫の膿瘍の場合は大体の予想が立つのですが、ハムスターなど齧歯類の膿瘍からは犬猫から出ないような細菌も採取できます。

膿からは大体菌が分離できますが、細菌のほとんどが現在の技術では培養できずにいます。

どこにでもいるのだからどんな条件でも増えろよと思うのですが、細菌って本当は繊細だなぁと思います。

アトピーの原因は腸内細菌叢の乱れだとも言われていますし、現状で培養ができなくても実は物凄い重要な細菌も多くいるんでしょう。

膿瘍からこんな細菌が出たけど、実は培養できない菌の方が原因だったなんてわかる日がやがて来るのかもしれません。