ここのところ多い膀胱炎について。

このところ膀胱炎の子たちの来院が増えています。

ということで、膀胱炎について。

膀胱炎は簡単に分別すると、結石性、細菌性、特発性に分類できます。

結石性は読んで字の如く、石によるものです。

結石の種類はいろいろありますが、アルカリ尿で出来やすいストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)、酸性尿で出来やすいシュウ酸カルシウムがほとんどの原因です。

ストルバイトは溶ける石なので気長に対処できますが、シュウ酸カルシウムは溶けない石なので、膀胱の中で大きな石になった場合、外科的に摘出しなければいけなくなることもあります。

この時期は寒くなり、水分を取りにくくなるので尿が濃くなり、結石になりやすくなります。

フードをふやかして食べられるのであれば、少しふやかしてあげると水分量が増え、膀胱内の結石成分が排出されやすくなります。

なお、日本の水道水はほとんどが軟水ですが、海外は硬水が多いためシュウ酸カルシウムによる結石が多いと言われています。

硬水のミネラルウォーターを与えている方は気をつけましょう。

細菌性は、これも読んで字の如く、細菌によるものです。

大腸菌、ブドウ球菌、レンサ球菌など原因菌は様々です。

多くの場合、抗生剤を飲んでもらってよくなるのですが、意外と耐性菌も多いのも事実でして・・・。

耐性菌がいるとかなり治りづらく、膀胱の炎症をとりながら水を頻繁に飲ませてもらい、尚且つ、頻繁にトイレに連れて行ってもらったりしなければなりません。

抗生剤が効かない分、細菌が繁殖する前に流し出す作戦です。

最後に特発性。

これが一番厄介です。

結石性、細菌性は原因が特定できるので治療がしやすいのですが、特発性膀胱炎は原因が不明なものです。

症状は頻尿・血尿・陰部を舐めるなど通常の膀胱炎の症状なのですが、結石や細菌はいません。

ストレスが誘発原因のひとつと言われていますが、はっきりとしたことはわかっていません。

人の間質性膀胱炎に症状が似ます。

最近の報告では、特発性膀胱炎にはω脂肪酸が効果的というレポートがあるので、膀胱炎対策のフードにはω脂肪酸が含まれています。

また、特発性膀胱炎は再発率も多い病気として知られています。

 

 

牛の胆石なら牛黄(ゴオウ)といって漢方になります(ユ○ケル皇帝液とかに入ってます)が、犬猫の膀胱結石には価値はありません。

結石にならないように、頻尿や血尿、お腹を痛がらないかなど注意してください。

特にオスは尿道が結石などで詰まってしまうと、死に至らしめることもあります。

十分にお気をつけください。