13日は梅雨に入ってから、初めてしっかりした雨が降りました。
梅雨になり湿気が増えて気温が上昇すると、皮膚炎や外耳炎など感染症の発生が多くなります。
これはほとんどの細菌や真菌が高温多湿で発育しやすいためです。
例えば、耳が垂れているような犬種は通気性が悪くなるため、耳が立っている犬種より外耳炎になりやすい傾向があります。
また、体の皮膚炎は体表面が温まり肌のバランスが崩れると菌が繁殖しやすい状況になり、一気に菌が繁殖し膿皮などが発生します。
そのような場合、治療には抗生剤を飲んでもらったり薬浴をして殺菌します。
皮膚の状態が悪い子の診察の際に、よく受ける質問があります。
それは、このような状態の皮膚の時に家でシャンプーしていいのか?というものです。
ほとんどの場合、シャンプーをしても大丈夫です。
むしろ、してください。
皮膚の状態が悪い時は菌の繁殖により肌のバランスが著しく崩れているため、シャンプーで洗い流すのが効果的です。
皮膚の状態次第では、かなりの頻度でシャンプーをしてもらう指示を出すこともあります。
ただし、シャンプーのみでは皮膚の保護が出来ないのでリンスなどが必要です。
洗い流すことで皮膚が正常であった環境に戻すというのが、一番の目的になります。
それをサポートするのが、抗生剤であったり消炎剤であったりω脂肪酸などです。
膿皮はシャンプーと抗生剤で多くが治癒しますが、そこにアレルギーがあったりホルモン病があったりすると治りが悪いこともあります。
また、皮膚の生まれ変わり(ターンオーバー)は3週間ほどかかるので、しっかりと抗生剤を飲まないと治らないケースもあります。
皮膚は悪くなるのは一瞬なのですが、治りきるまでには上記のターンオーバーの兼ね合いがあるので長くかかります。
皮膚が軽度に赤かったり、痒みを持ってそうな場合は、様子を見るよりまず洗いましょう。
軽度のものであれば、それだけで治る場合もあります。
この時期の皮膚は悪くなりやすいですから、お気をつけください。