犬の妊娠。

前回お話したように、今回は犬の妊娠についてです。

犬の妊娠期間はおよそ2ヶ月くらいになります。

種類によっての妊娠期間の違いはありませんので、チワワでもグレートデンでも一緒です。

早ければ妊娠20日目以降に超音波検査でわかり始め、28日目以降には心臓の拍動が見られます。

妊娠時にブルセラ病などの感染症があると流産を起こします。

ブルセラ病は今年千葉の獣医師が感染してニュースにもなっていたので聞いたことがある方もいると思います。

犬から人への感染は稀ですが注意が必要です。

妊娠20日目くらいまでは見た感じほとんどわかりませんが、それ以降は週をおうごとにお腹が大きくなっていくのがわかります。

また、乳頭も発達しはじめ大きくなってきます。

妊娠期が後半になるほど栄養要求量が増えていきます。

本来、犬の胎児は多頭が普通ですが、これが単頭だと餌の与えすぎで胎児が過大になってしまい難産になるケースもあります。

家での出産では体温測定により出産が近いかどうかを判断できます。

57日以降になったら1日3度は測って体温の変化を見ます。

出産が近くなると12~24時間前くらいから体温が1℃近く下がります。

また、体温低下前には、巣作りしたり、食欲が低下したり、そわそわし始めます。

犬の難産になるケースは5%ほどと言われています。

なので、比較的安産が多いため気づいたら出産が終わっていたというケースもあります。

簡単に書き連ねてみましたが、犬の出産には意外と人の手が必要ないことが多いんです。

人の手があると便利なのは、胎盤を食べさせすぎないこととへその緒をきれいに切れるくらいでしょうか。

あとは、冬であれば体温低下を防ぐため、出産直後に子犬を軽くお湯洗いして乾燥させる程度です。

その後は、母犬の母性に任せっぱなしですが、唯一やることとしては体重を毎日同じ時間に量ることです。

普通であれば毎日体重が増えるはずなので、体重減少が認められる場合、先天的な病気があったり、あるいは、母犬の乳成分が悪く子犬が全頭吐いていて成長できていないなんてこともあります。

母犬は出産後から強い母性が出て、飼主を攻撃したりすることもあります。

しばらくは子供にかかりっきりになるので、ご飯さえ食べに来ようとはしません。

そういう時は、ご飯を持っていったりするのですが、1週間くらいすると子供を放置してご飯を食べに来るようになります。

1ヶ月くらい過ぎるとわらわら歩き始め一番楽しい時間になるでしょう。

犬の出産・子育ては慣れないと大変だと思いますが、犬の飼育で一番楽しくもあります。

繁殖にチャレンジしてみたい方は是非ともおススメします。

 

ここで胎児の超音波検査の経過を載せますね。

このホームページは動画が載せられない仕様なので写真だけで紹介します。

倍率が違うので見比べにくいかもしれません。

3月25日

4月6日


4月17日

 

2月26日交配

 

うちのチワワの胎児の経過です。

およそ1ヶ月程度で胎児1cm程ですが、2週間後には倍ほどになっています。

さらに11日後では、背骨、内臓、頭部などの体の構造がはっきりとしてきているのがわかると思います。

11日前では構造がよくわからないものが、こういう風に構造がわかるようになるのですから本当に妊娠後期の胎児の成長は早いですね。

犬は、例えば、チワワですと毛の長さでロングコートとスムースコートがあるのですが、スムースとロングを交配しても産み分けてくれます。

なので、どんな毛の長さになるかは生まれて成長してからのお楽しみなります。

また、毛色も過去の色を遡って生まれるので、両親の毛色通りのものが出るとは限りません。

他にはプードルなどは毛色を産み分けるなどこの辺も面白いところです。

今月末には生まれてくる予定ですが、どんな子が生まれてくるのか楽しみですね。