令和4年6月1日以降に販売される犬猫はマイクロチップの装着が義務になりました。
当院ではマイクロチップが装着済みか施行以降の生年月日の子には、マイクロチップリーダーでマイクロチップ番号が入っているか(番号が合っているか)を確認しています。
が、忘れることも多々あります。
忘れていたら、次の診察などで一声掛けていただけるとありがたいです。
マイクロチップの耐久年数は30年ほどといわれていますが、機械なのでどうしても壊れることがあります。
今までも挿入したマイクロチップが壊れていたケースをみています。
壊れているかの確認は、レントゲンを撮ってチップがあることを確認し、さらに再度装着場所にリーダーを当てて反応の有無を見ます。
それでも機械に反応しなければ壊れているという判断を下しています。
保護犬や保護猫などでは2重に入っていることがあります。
これは保護される前に既に入っていたものの、譲渡時に再度新しいものを挿入されてしまったケースです。
通常、マイクロチップは首の後ろ~左肩周辺に装着しますが、脂肪内を移動することがあります。
リーダーを当てて微妙にズレたりしていると反応しないので、未装着と思い挿入してしまうのです。
当院では保護の子の場合、当院では何回かリーダーを当てるのですが、番号が違うことで気付きます。
この場合もレントゲンで確認して、「わざわざ取り出す必要もないし、しょうがないか」という話になります。
マイクロチップの証明書があるのに本体が入ってないケースもあります。
挿入前のマイクロチップのセットにはマイクロチップが入った注射器とそのマイクロチップ番号のシールが同封されています。
なので、シールが貼ってある書類が揃っている場合、マイクロチップが挿入後出てしまったということが考えられます。
他院であった話ですが、マイクロチップを挿入したのに無くなっていたという事例を聞いています。
このケースは、飼い主さんの前でマイクロチップを挿入しリーダーで確認したにもかかわらず、後日リーダーで読み込んだら反応しなかったためレントゲンを撮ったところ、マイクロチップ自体がなくなっていたというものです。
マイクロチップの針自体はかなり太く、メーカーによって針の太さは違いますが1.8㎜程です。
結構太いです。
なので、挿入場所が浅いと体を振った時に出てしまったり、逆に刺した場所の先の皮膚を突き破ってしまった可能性があります。
※マイクロチップ挿入後の皮膚には針サイズの穴が開いているので、当院では医療用のアロンアルファで塞いでます。
今回初診で診させてもらった猫ちゃんがマイクロチップがなかったケースでした。
何回かリーダーを当てたものの反応がなく、レントゲンを撮ったところマイクロチップが見当たりませんでした。
上記のお話をして、ブリーダーか挿入した獣医師に相談するようにしてもらいました。
マイクロチップの挿入は、単に針を刺せばいいというわけではありません。
当院でのマイクロチップ挿入手順
マイクロチップの注射器自体をまずリーダーで読み込んで、マイクロチップが壊れていないか確認。
なるべく動かないようにしっかりと保定してもらう。
マイクロチップの挿入。
針をつまんだままにしつつ、マイクロチップが出ないようにしながら針を抜く。
針穴にアロンアルファ塗布。
指先でマイクロチップを確認する。
リーダーで番号再確認。
と、結構なステップです。
さいわい当院で挿入後になくなったケースはありませんが、無くなった事例は見ていますので
マイクロチップを入れるときは緊張します。