治療効果と検査の限界

題名はなんかカッコいい感じですが、寄生虫のジアルジアの検査についてです。

ジアルジア自体は幼少期の感染が多く、症状が無いものから激しい下痢まで様々です。

検査はいろいろあり、顕微鏡による検出、遺伝子検査、抗原検査があります。

顕微鏡での検査は簡単ですが、新鮮な便でないと生きている虫体が見えないことが多いです。

遺伝子検査は検査としては優秀ですが、費用が高額になります。

抗原検査は簡便なキットがあり病院内でも楽に行え、費用もそれほど高くありません。

当院でもジアルジアの検査はよく行いますが、検査キットは置いておりません。

以前は置いてあったのですが、検査機関の糞便検査がとても便利(いろいろな寄生虫が6種類わかる)かつ安価なのでそれを利用しています。

特に子犬・子猫には症状が無くても家に迎えた時にはなるべく勧めており、陽性反応が出れば治療を行い、しばらくしてから再検査を行い陰性になっていれば治療終了としていました。

で、ここで問題になるのが、陰性にならないケースです。

 

今回のお話は最初の糞便検査で顕微鏡にてジアルジアを確認し、薬を4種類変えて5クール治療を行った子のことです。

初回の検査の時は下痢でしたがそれ以降は落ち着いており、2回目以降の顕微鏡検査ではジアルジアを確認できなかったものの、検査機関での抗原検査は陽性でした。

薬を変えつつ検査に出すこと数回、毎回陽性で帰ってきました。

相変わらず顕微鏡ではジアルジアは見えません。

2か月以上治療を行っているにもかかわらず、なかなか陰性にならないため検査機関に質問してみました。

回答はいろいろありましたが、中でも初めて知ったのは検査が陰性にならない子がいるそうなんです。

これは知りませんでした・・・。

陰性にならないというのは語弊がありますが、陰性になるタイミングがいつになるかわからないそうなのです。

通常、抗原検査は対象となる病気が存在するかどうか調べる物です。

詳しくは割愛するとして、その病気が無くなってしばらくすれば検査が陰性になります。

ですが、ジアルジアに関しては陰性にならない(陰性になるタイミングが遅い)ことがあるそうです。

なので、今回のように数回薬を変えても陽性反応が出る場合、治療は終わっているものの反応として陽性が出てしまっているだけで、実際は陰性の可能性があるそうです。

検査の限界ですね。

この場合、顕微鏡検査で虫体がおらず便の調子が良ければ総合的に判断して様子を見ていいとのこと。

ジアルジアはしつこいので、1つの薬で治療が終わらず複数種類を変えることも多い病気です。

今までの子はジアルジア治療後、便の調子が良ければ投薬終了したのち1~2週間してから再度抗原検査を行い、ジアルジアの陰性を確認していました。

無論、陰転していれば治療終了で問題ありません。

ですが、検査が陰性にならないこともあるため、1ヶ月以上治療して便検査は良好なものの抗原検査で陽性の場合、今後は陽性になっていても治療終了とすることがあります。